狐娘「妾は老いることも死ぬこともないケモノじゃ」
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171: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2021/06/10(木) 19:33:31.17 ID:UgQBOwmV0
二人「……」
狐娘「フフッ、酷い顔だぞ」
男「体、もうなんともないんですか…?」
狐娘「案ずるな。妾が目を覚ました時点でこいつの力は失くなっておる。今はただの紙屑じゃ」
狐娘「主こそ、見栄張って蹴り飛ばした右足は無事か?」
男「あ、あの時は必死だったんです」
狐娘「クククッ…!」
狐娘「…のう主よ、同じ事を問うてもよいかの」
狐娘「主は何故、妾と関わろうとする?」
狐娘「話がしたいという動機だけで己が人生をさえ賭するのはさすがに釣り合っておらぬじゃろう。主を突き動かすその原動力が、妾は気になる」
狐娘「…否、ちと違うな」
狐娘「お主にとって、妾とは何じゃ」
狐娘「答え合わせをさせとくれ、数奇者」
男「……」
男(……僕にとっての狐娘さん……)
男「そう、ですね」
男(なんて口ごもってみたけど、答えははっきりしてる)
男(僕がこの人の元を訪れる理由)
男(初めてこの人を見かけた次の日、性懲りもなく神社に足を運んだのも、どれをあげれば喜ぶ顔が見られるか考えながらお菓子を選んだのも、自分勝手にこの人を幸せにしてあげたいと思ったのも)
男(みんな同じ。男の子が女の子のために頑張れる理由なんて一つしかない)
男(…やっぱりずるい。狐娘さんはそれを分かって、待ってるんだ)
男「僕が言ったら狐娘さんも教えてくださいよ」
男「僕は……あなたが」
装束女「お取込み中ごめんねぇ?」
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