【ミリマス】馬場このみ『3月19日』
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7: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:07:47.84 ID:wEzeH4cQ0
その先に見えたのは彼女──馬場このみだった。

自分の目を疑った。
そんな事ある訳がないって。
──だけど、見間違える筈なんてなかった。
以下略 AAS



8: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:08:17.56 ID:wEzeH4cQ0
椅子に座ったままの彼女と目が合った。
今すぐにでも駆け寄りたかった。

だけど彼女は、俺がそうするより先にうやうやしく立ち上がって、言った。

以下略 AAS



9: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:08:47.72 ID:wEzeH4cQ0
「それじゃ、まずは志望動機から──」

それから俺は、面接としてありがちな、なんでもない質問をいくつか投げかけた。
聞きたい事、話したい事は山ほどあったけれど、それは胸の奥にしまい込んだ。

以下略 AAS



10: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:09:41.56 ID:wEzeH4cQ0
「でも、私をアイドル志望と思うだなんて……。悪い気はしないわね。ウフフッ♪」

 彼女は、昔と変わらない笑顔だった。アイドル、馬場このみと。

「──馬場このみさん。もしよかったら……本当にアイドルとしてやってみませんか?」
以下略 AAS



11: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:10:39.75 ID:wEzeH4cQ0
    ◆

部屋の中で単調な電子音が響いた。
頭が重い。ぼうっとする。

以下略 AAS



12: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:11:10.80 ID:wEzeH4cQ0
    ◇

次の日の朝、私はクローゼットからスーツを出していた。
ごく最近まで着ていたはずなのに、私にはそれが新鮮に見えた。
胸がチクリと痛んだ。
以下略 AAS



13: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:11:38.20 ID:wEzeH4cQ0
面接で話す内容を頭の中で確認しているうちに、目的の建物に到着した。
階段を上がったすぐ先のところに、765プロダクションと書かれた扉がある。

扉の前に立って、心臓が速くなるのが分かった。
私の胸の内側は、緊張と不安と……それと祈るような気持ちがない混ぜになったみたいだった。
以下略 AAS



14: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:12:50.99 ID:wEzeH4cQ0
それから少しして、私は時間に背中をせっつかされるような形で、チャイムを鳴らした。

「馬場このみさんですね。初めまして、事務員の音無小鳥と申します」

彼女は柔らかい物腰で、丁寧にそう言った。
以下略 AAS



15: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:13:27.60 ID:wEzeH4cQ0
そこから先はあまり記憶に残っていない。
投げかけられる質問に、予め想定していた内容を答えた。

ある時高木社長の携帯電話に、何件かの着信が続けざまに入った。
高木社長が一旦退室して電話で確認したところ、どうやら緊急の用事である場所へ出向かなくてはならなくなったそうだった。
以下略 AAS



16: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:14:09.53 ID:wEzeH4cQ0
ゆっくりと扉が開く。そこに立っていたのは、ダークグレーのスーツを着た男性だった。
彼の首元には赤みがかった茶色のネクタイが提げられていた。
普段あまり見ない色味で思わず目に留まったが、芸能に携わる仕事であることを踏まえればこれでも主張が少ないくらいなのかも、と思った。

扉が完全に開いたタイミングで、彼と目が合った。
以下略 AAS



17: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:14:41.73 ID:wEzeH4cQ0
一瞬間が開いて、私はまだ何一つ挨拶をしていないことに気が付いた。
私は慌ててしまって、とっさに浮かんできただけの、何の飾り気のない挨拶をした。

「初めまして。馬場このみと申します。本日は、よろしくお願いいたします」

以下略 AAS



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