18: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:16:49.87 ID:wEzeH4cQ0
──筈だった。
「事務員! オフィスレディ志望です!」
「そ、そうだったんですか! すみません、引き継ぎができていなくて……」
彼は、私をアイドル志望だと勘違いしていたらしかった。
私が、アイドルだなんて……。
ちょっぴり可笑しくて、思わず声に出てしまいそうになる。
お陰で、さっきまで私が抱えていた緊張は、すっかりどこかへ吹き飛んでしまった。
そんな私とは反対に、彼は一瞬肩を落としたように見えた。
そのときの彼の表情は、陰になって私には見えなかった。
「でも。私をアイドル志望と思うだなんて……。悪い気はしないわね。ウフフッ♪」
彼は、鳩が豆鉄砲を食ったような表情をした。
感情がすぐ表情にでてくる人なんだな、なんて私は思って、少し彼に親しみを感じた。
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