5:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/14(日) 20:45:17.72 ID:UGFpCWbxO
「たとえ自ら刃を振るえずとも、俺はこれまで積み上げてきた技術を残したい。俺とお前の子供ならば、きっと鬼舞辻無惨を倒せる隊士となれる筈だ。悪くない提案だと思うが」
「いやいや! いやいやいやいや! おかしいですって! どうしてそうなるんですか!?」
とんでも理論を振りかざす義勇さんを必死で説得しようと試みるも彼はすっかり弱気で。
「ここ数日、俺なりに悩んだ。自害すらも考えた。もしも薬が調合出来なければ、俺にはもうこうするしか選択肢はない。もし拒むというのなら、いっそのことお前の手で始末をつけてくれ。頼む、炭治郎」
そう言って頭を下げる義勇さんを見た瞬間、脳裏に雪山でのやり取りが過ぎって、俺は無意識に怒鳴っていた。彼に言われた言葉を。
「生殺与奪の権を他人に握らせるなッ!!」
彼はハッとして、俺を見る。静かに諭した。
「義勇さんの言葉です。俺はこの言葉でこれまで努力してきました。だから義勇さんも頑張ってください。諦めず、生きてください」
言ってから、先輩に対してあまりに偉そうだったのではないかと後悔が湧いてくる。
しかし、義勇さんは何故か俺の手を握って。
「わかった。俺は……炭治郎と共に生きる」
あ、そうなるのかと妙に納得して、焦った。
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