貴利矢「……神の命日」
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3: ◆pYYJkGKpMM[saga]
2021/03/03(水) 17:33:19.60 ID:0MCtBXwG0
貴利矢「着いた着いた、ここか」

 わざわざ有休を取ってこんな所に来ちまった。そりゃ自分だって出来ればせっかくの有休なんだから、こんな所であんなヤツの墓参りなんかするよりも、カワイー女の子とデートにでも行きたい。

貴利矢「でもまぁ、仕方ないよな」

 仕方ない。だって、気付いたら墓参りに行く気になって、気付いたら休みを取っていて、気付いたらここに来たんだから。

 いろんな事を思い出す。あいつに騙されたこと、あいつに殺されたこと、あいつと殺し合いしたこと。そして……あいつに助けられたこと、あいつを殺したこと。

貴利矢「……柄にもなく辛気臭くなっちったか」

 持ってきた花を置いて一応手を合わせる。でも、花なんか置いたってあいつは何とも思わないかな。

貴利矢「これ、置いてくか」

 『神の恵みを授けよう』とかなんとか言ってあの時に渡されたプロトシャカリキスポーツガシャットとプロトジェットコンバットガシャット。

貴利矢「ま、これ元々お前のだしな。返してやるよ」

 こんな所に置いたら、誰かが玩具だと思って捨てしまうかもしれない。それでも構わない。だって、もうこれは必要ないと思いたいから。あいつの遺したゴッドマキシマムマイティXのデータで、ゲーム病に侵された人たちを戦わずに救える日が来ると信じたいから。

 でも、なんで自分は急に墓参りなんかに行こうと思ったのだろうか。しばらく考えてみると、1つの結論に辿り着いた。それは、自分の心の中にずっと引っかかっていたものだ。

 …………罪滅ぼし。


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