貴利矢「……神の命日」
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2: ◆pYYJkGKpMM[saga]
2021/03/03(水) 17:31:53.48 ID:0MCtBXwG0
永夢「おはようございまー……あれ?貴利矢さんは?」

 やけに長い螺旋階段を上って『CR』――電脳救命センターに着いた僕は、いつもの面々から1人だけ欠けている人がいる事に気づいた。

飛彩「監察医なら休みだ。有休を取ったらしい」

 声がした方には飛彩さんがいた。あ、またコーヒーにたくさんスティックシュガー入れてる。無理して飲まなきゃいいのに。見てるこっちが胸焼けしてくる。

ポッピー「今日って何か特別な日だったっけ?」

パラド「さあな。今日は確か――」

 ポッピーの言葉にパラドが今日の日付を答える。この日付って……まさか。

永夢「今日ってまさか……」

パラド「永夢、何か心当たりでもあんのか?」

パラドが聞いてくる。他の2人も、なんとなく僕の方に視線が向いている気がする。

永夢「たぶん……」

 ――黎斗さんの命日だよ。

 そう答えると3人は、驚いたような、なんとなく納得したような微妙な顔をした。

 あの事件――『ゾンビクロニクル』を巡る事件から今日で1年。その時に黎斗さんは貴利矢さんに倒され、最後のライフが尽きて生涯を終えた。

飛彩「……監察医にも何か思うところがあったのだろうか」

ポッピー「どういう意味、ヒイロ?」

飛彩「あの壇黎斗とて尊い命を持っていた。監察医もドクターだ、命を奪うということをして平気でいられるはずがない。たとえそれが、自分を一度殺した相手でもな」

ポッピー「……そっか」

 なるほど。でも、あの2人には元々なにかあったような気がする。奇妙な友情のような、何かが――


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