58:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:00:38.15 ID:j5Vg4AXZO
朝から取り掛かったこの準備が一段落ついたのは、
もう陽も落ちかけた時刻になってからだった。
「絶好の放火日和だ」と、
物騒極まりないセリフを彼女が言った。
この日は昼から雲一つない快晴だった。
夕暮れの空は蒼から茜の綺麗なグラデーションに染まっていて、
それを背負って建つ薄暗い校舎はやけに荘厳に見えた。
「じゃ、燃やすか」
散歩に行くみたいな、気軽な調子で彼女は言う。
「君が火をつけるんだろう?」
僕は頷く。
右手の大型ライターをカチカチ鳴らす。
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