20:名無しNIPPER[saga]
2021/02/27(土) 23:03:33.01 ID:2kLflUvfO
ギターを適当に床に転がして、彼女は僕の方を見た。
「お腹減ってるんだよね。なんか作ろうか?」
「うん」
「じゃあ適当にくつろいでて。ソファとかで。
電気もったいないからテレビは付けないでよ」
「……どうせなにも放映されてないだろ」
キッチンに向かった彼女を居心地悪く待つ間、
僕はリビングをあちこち見回していた。
もともとなのか、天使化現象の結果なのかは分からないが、
無骨な生活インフラ以外にものは少なく、やけに生活感が薄く見えた。
「他に、だれか住んでるのか?」と僕は大声で聞いた。
「父さんも母さんも割と早めに天使になったよ」と大声が返ってきた。
「弟もいたけど、もういなくなった。
今は私一人だよ、君にとって都合の良いことにね」
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