21:名無しNIPPER[saga]
2021/02/27(土) 23:08:46.73 ID:2kLflUvfO
調理にそう時間はかからず、僕が待ちくたびれる前に彼女は料理を完成させた。
ダイニングテーブルに配膳されたのはシンプルな山盛りの牛丼で、
呼ばれて席に着くや否や、僕は一も二もなくがっついた。
彼女は向いに座った。
「肉なんて久しぶり、って顔をしてるね」と、
少なく盛られた自分のごはんを行儀よく食べながら、彼女は言った。
飯を掻き込みながら僕は頷いた。
「たまねぎは常温で保存がきくし、肉は細切れをバッテリーつないだ冷凍庫に突っ込んでる。
急ぎだったから米はレトルトだけど、電気があればまあいくらでも炊けるしね。
他にもいろいろ、しばらく食っていける程度には保管している」
君は今まで何を食べてたの、と彼女は尋ねた。
カップ麺ばっか、と僕は答えた。
栄養偏るよ、と彼女は笑いながら言った。
今となっては栄養バランスなんてどうでもいいかもしれないけどね、とも。
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