63: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:30:37.13 ID:ZnT9OyOd0
それから毎週、アタシらは東京に通うこととなった。
アタシの母親をはじめ、それぞれの両親へはPちゃんが説明をすると言っていたが、結局は社長さんが話をまとめてくれた。こういうことはやはり、大人がエエいうことがわかった。
アイドルになる! と最初に切り出した時はどの親も反対こそしないまでも、なかなか賛意は得られなかった。
けれどそこへ、芸能事務所の社長さんが登場すると事態は一変した。どの親も、娘たちの可能性を説く社長さんに「娘をよろしくお願いします」と頭を下げてくれたからだ。
64: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:31:12.81 ID:ZnT9OyOd0
泉「……スマホ」
亜子「え?」
さくら「かけてみたらぁ?」
65: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:32:39.24 ID:ZnT9OyOd0
そういえば、前にアタシも思ったんやった。Pちゃんアンタどんな人やねん、と。
アタシは決意した。せや、もうちょっと彼のこと――Pちゃんのこと知りたいやんか。もう突然に驚かされるんはマッピラやったし。
P「どうかしたの?」
66: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:33:20.98 ID:ZnT9OyOd0
亜子「……ぷっ」
P「え?」
亜子「なんや庶民的なんやな。芸能事務所の御曹司なんやから、もっとこう聞いた事もないような珍しい料理とか言うんかと思たやんか」
67: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:33:57.09 ID:ZnT9OyOd0
P「コロッケの方が好きだけどね」
亜子「そない好きなんか、コロッケ」
P「昨夜も食べたよ」
68: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:34:47.47 ID:ZnT9OyOd0
P「作るのは、大変なんだよ。コロッケ……」
亜子「それはアタシもわかってる、て。ジャガイモ茹でて、皮剥いて、潰して、挽き肉とタマネギ炒めて、混ぜて、形作って、衣つけて揚げるんやから」
P「もしかして作れるの?」
69: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:35:29.07 ID:ZnT9OyOd0
亜子「そっか。ほんなら、頼むで。準備」
P「君のコロッケがかかっているからね」
まるで世界を揺るがすような重大な事柄のように、Pちゃんはアタシの作るコロッケのことを話す。
70: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:36:06.30 ID:ZnT9OyOd0
亜子「他には? 音楽はなに聞くん? なにが好き?」
P「クラシック」
亜子「おっと、そうきたか」
71: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:36:48.55 ID:ZnT9OyOd0
P「今度はこちらからも聞いていいかな?」
亜子「なに? アタシのこと?」
P「映画とか見る?」
72: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:37:32.09 ID:ZnT9OyOd0
亜子「どんな映画が好きなん? 1番は?」
P「1番を決めるのは難しいな。市民ケーン……ニューシネマパラダイス……ブレードランナー……いや、どうしても1番を決めるなら……」
亜子「なんやの?」
73: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:38:14.35 ID:ZnT9OyOd0
P「通称『史上最低の映画監督』と呼ばれてる人なんだ」
亜子「なんやのそれ! なんでそんな人の映画が好きなん?」
気がつくと、部屋にはアタシ1人だった。
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