115: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 12:38:57.41 ID:ZnT9OyOd0
女性P「その、私は……」
P「ごめんなさい」
女性P「謝ることなど、なにもない」
116: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 12:39:37.06 ID:ZnT9OyOd0
泉「初ライブが成功したら、ご両親も一緒にお祝いしたいって言ってたのはこういうわけだったんだね」
亜子「Pちゃんは、アタシらそれぞれの家庭の事情を解決してくれたやんか。ほんなら、アタシらもPちゃんの家庭の問題を解決してあげんとな」
さくら「うん! ずっと4人でいっしょだもんねぇ」
117: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 12:40:11.32 ID:ZnT9OyOd0
この後、気を利かせた社長さん……いや、Pちゃんのお父さんがかな子ちゃんも連れてきてくれ、アタシら7人はアメリカツアーの成功をコロッケで締めくくった。
ちょっと酔っ払ったPちゃんのお父さんは、プロデューサーの心得なるものを大声でPちゃんに説きはじめ、Pちゃんは真剣な顔でそれを聞き、Pちゃんのお母さんは笑いをかみ殺していた。
かな子「あんなプロデューサーさんを見るの、初めてかも」
118: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 12:40:52.35 ID:ZnT9OyOd0
2日後。
日常生活に戻ったアタシらは、一躍学校の有名人となっていた。
遠巻きに熱い眼差しを受け、クラスでは全員に囲まれてアメリカでのことをあれこれと聞かれ、下級生からサインを求められる。
119: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 12:45:19.37 ID:ZnT9OyOd0
P「いやあ、まいった。みんな僕のことを、アイドルの窓口みたいに思ってるみたいだ」
亜子「……ふうん、そうですか!」
P「え? あれ? もしかして怒ってる?」
120: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 12:46:15.50 ID:ZnT9OyOd0
頭の端っこに引っかかってた記憶が、ようやく思い出させてくれる。
アレか、史上最低の映画監督とかいう人の映画やっけ。
史上最低の映画監督の映画ということは、史上最低の映画ということになるんやろうし、まあその映画に興味ないことはないんやけど、それに加えてPちゃん家かあ……アンタ、どないなトコに住んでんの?
P「どう……かな、お菓子とか飲み物も用意するけど」
121: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 12:46:48.53 ID:ZnT9OyOd0
亜子「ちゃんとキレイにしてあるんやろな? 女の子が3人も来るんやから」
P「特に君が、ね」
綺譚のない返事と笑顔に、こっちの顔が赤くなる。
122: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 12:47:23.52 ID:ZnT9OyOd0
〜放課後〜
泉「ワンルームなんだ。あんまり物はないんだね」
123: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 12:48:09.77 ID:ZnT9OyOd0
P「これ、デジタルリマスターされた総天然色版なんだ」
ということは、元々はシロクロの映画なんかいな。
そして始まった鑑賞会。
この史上最低の映画監督作成の史上最低の映画に、1番食いついてきたのはなんと意外にもいずみやった。
124: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 12:49:03.54 ID:ZnT9OyOd0
泉「このUFO……なんていうか……」
P「これ、タイヤのホイールを使って撮影してるんだ」
亜子「それはエエけど、吊ってる糸が見えてるやないの!」
125: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 12:49:34.32 ID:ZnT9OyOd0
泉「あと、なぜこのゾンビに襲われている人たち、直立不動で逃げもしないで『うわー』とか言いながら首を囓られてるの!?」
P「実に当然の指摘で確かに不思議だけど、僕もその疑問に対する答えを持っていない」
泉「それも何度も何度も!!」
133Res/93.66 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20