ルーデウス・グレイラット「あれ? 先生、穿いてないんですか?」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2021/01/24(日) 00:11:12.63 ID:ZHxRC7TRO
「ごめんなさいでした」
「はあ……わかりましたから顔を上げてください。仮にも自分の弟子にそんな無様を晒して欲しくはありません。仲直りしましょう」
ほらな。チョロいもんだぜ。土下座最強!
「もう怒ってないですか?」
「もともとそこまで怒っていたわけではありません。ただ下着がないと困るので返して欲しかっただけですから」
やれやれ。甘い、甘すぎるぜロキシー。
そんなんでこの世界を生きていけるのか心配だ。まあ、だからこそ大好きなのだけど。
「それにしても、明日旅立つ師匠から下着を盗むなんて、とんだ恩知らずな弟子も居たものですね」
「本当に出て行ってしまうのですか……?」
ロキシーが居なくなる。それは嫌だった。
しかし、彼女には彼女の人生がある。
こんな寂れた田舎に腰を落ち着けるにはまだ若すぎるだろう。長寿の魔族なら尚更だ。
「ルディ。旅は良いものですよ」
「でも危険と隣り合わせです」
「だからこそ身を守る力が必要なのです」
ロキシー・ミグルディアは水聖級魔術師だ。
家庭教師としてではなく、冒険者としてならかなり強い部類だろう。少しドジだけど。
それでも実戦となれば、授業の時のお遊びのような魔術ではなく、本来の力を発揮する。
「私と同じ水聖級となった今のルディなら、私のように旅に出る力があります」
実戦経験がないのでなんとも言えないが、ロキシーに鍛えられた俺は少なくとも、手のひらを人に向けて攻撃魔術を使うことに躊躇いを覚えるようになったのは事実だった。
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