【咲-Saki-】京太郎「たのしい宮永一家」【微安価】
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66: ◆copBIXhjP6[saga]
2021/01/26(火) 21:57:36.30 ID:lkV5u9hc0
――― 長野県内 県道


淡「メイ.........今、なんて言ったの」


車が急に止まっても身体は進み続ける。そんな当たり前の物理法則に従って前のめりになった私たちを、ピンと張ったシートベルトが受け止めた。
慌ててサイドミラーを覗き込むと、ずっと追い抜きたそうに後ろを走っていたバイクは間一髪で止まってくれたようだった。
クラクションと怒号が聞こえてくる。窓を開けて謝罪してから、私は再びキョータローの愛車を走らせた。

明「ふぅ、びっくりした......淡さん?」

淡「ううん.........なんでもない。ごめんね」

淡「カイさん大丈夫?起こしちゃったかな」

界「............」

明「寝てるみたいですね」

私の知る上で彼を―――宮永京太郎のことを『京ちゃん』と呼ぶ人物は四人いる。
後部座席でバックレストにもたれ掛かる宮永界、マスターズ出場で今は日本にいない宮永愛、今頃本人と秘密の談合を交わしている最中であろう宮永照。
そして、彼の妻である宮永咲。

気のせいだとは思えなかった。
一瞬だけ見せた口調はメイ自身のものとは到底考えられない。それこそ、まるで彼女のような............


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