34:名無しNIPPER[saga]
2021/02/18(木) 00:37:14.35 ID:TRBoF4Kj0
リー「背後の機械生命体のほうが、前方の機械生命体よりも若干進むのが早いですね。この様子だと1時間ほどで追いつかれるでしょう」
映像を分析していたリーが情報を与えてくれる。
今は小走りといった速度で進んでいるが、一時間では10kmも進めないだろう。
衛星写真にあった塔まではおよそ20qであり、このままだと半分まで行ったところで大軍とむざむざ戦うことになる。
ルシア「前方の機械生命体を殲滅しましょう。戦闘時間は数分で終わるでしょう」
ルシアは振り向いて、私を見る。
指揮官「私も同じことを考えていた。だが、一つ懸念事項がある。前方の機械生命体を倒して、さらにその先にいくら機械生命体がいるかは分からな
いのだ」
といって、具体的な打開策があるわけはない。
両側を崖に囲まれたこの道で、隠れて機械生命体をやり過ごすことはほぼ不可能だ。
私は、大渓谷に入る前にもっと周囲を観察すべきだった!
あと一日遅ければ、機械生命体に挟まれるようなことは…。
私は、はっと気づいた。
ああ、私が、本当に白ルシアと記憶を共有しているとすれば、作戦は筒抜けだったわけだ。
行動計画も、どこまで把握しているかも、なにが目標かも、何もかもだ!
それに合わせて機械生命体を操るのだって、可能だろう。
偶然か
それとも必然か
底冷えするような寒気が、背筋を上る。絶望の影が、視界の端をよぎる。
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