パ二グレss 指揮官「結婚することになった」
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33:名無しNIPPER[saga]
2021/02/16(火) 21:28:27.51 ID:bewIDN5b0
指揮官は、作戦前のブリーフィングを思い出した。あの細長い塔とはなんだったのか。

まず、地理的な条件からここを航空機の発着場所とするのはナンセンスだろう。

十分な助走距離もないし、平地とは程遠いほどに足場が悪い。

だから、私なら航空機の製造場とはしない。

そして、戦車も同様だ。このように枝分かれしている狭い道で、戦車のような陸上兵器を移動させようとは思わない。あまりにも時間がかかってしま
う。よって戦車の製造場所とは思わない。

残るは、ミサイルだ。

だとするならミサイルの狙いは?我々の基地か?

数十キロメートルしか離れていない場所を攻撃するのにミサイル発射場所を作るのか?

あの無数の機械生命体を差し向けるほうが単純で、楽ではないか。

よく考えろ。ミサイルは、一種の暗器だ。

敵の急所を確実に敵の手が届かない遠距離から、貫く。

それも相手が予想もしていないタイミングで。

絶対的な先制攻撃の手段だ。

白ルシアは、言っていた。人類が滅びると。

基地を全滅させたくらいで、それはありえない。

また、対策を練って別の降下作戦が始まるだろう。

どこで、降下作戦が練られるか?

【楽園】だ。

一気に血が引いていくのを感じる。

あれが人類の最期の居場所を、奪うというのか?

機械生命体がミサイルを作るような技術と連携をとれるとは思えない。

なら昇格者がその役割を担っている?

白ルシアが言っていたとおり、人類が滅ぶのは、そういう意味だった。

――――だめだ!

私は、大きく深呼吸をした。

これでは白ルシアにまんまと乗せられている。

私一人の想像で、部隊を動かすわけにはいかない。

この作戦の目標は変わらない。情報を手に入れて、上に渡して、情報分析をするのだ。

リーフ「指揮官。なにかお気づきになりましたか」

リーフがどこか期待するような声音で、尋ねる。

私は、かぶりを振った。

指揮官「いいや、私にもわからないな。もっと調べなければならないだろう」

カレニーナ「指揮官、悪いニュースだ」

指揮官「機械虫が発見されたか?」

カレニーナ「ちがう、大渓谷の入り口に設置した機械虫から映像がきた」

彼女は、映像を見せてくれた。

数千を超える無数の機械生命体が、手に様々な【材料】をもって押し寄せていた。

やつらは、今まで遠方まで【材料】を探しに行っていたに違いない。

そして、夜に巣へと戻ってくる。

退路は、あっというまに敵の大軍に塞がれてしまった。

前に進むことしか、私たちの道は残されていなかった。


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