28:名無しNIPPER[saga]
2021/01/25(月) 00:45:39.30 ID:tWM2qTQ70
リーフ「え…」
指揮官「私の次に入ってくる指揮官はロボで遠隔指示を出すんだ。だが心配はない、恐ろしく上手くて戦闘訓練では負け知らずらしい。
パニシングも怪我の心配をすることもない、素晴らしい技術だ。」
リーフ「指揮官、誰も怪我しないことはよいことです。でも、わたしはこうしているときが、一番役に立っている気がするんです」
注入された抑制剤が、体内で暴れているパニシングを鎮静させる。
指揮官「勿論、それはリーフにしかできないことだ。でも君の役立てるところは他にも沢山あるんだ。私のお守りは、正直なところ、無駄だ。」
リー「そのとおりです。指揮官もようやくわかってくれましたか」
指揮官「リーは、いつも私が同行する作戦には乗り気ではなかったな。私の身体を案じてくれていたことは、分かっているよ」
リー「っ…いつ倒れるかわからない人間を背負って、任務はごめんですから。次の指揮官が、遠隔指示するようなので安心しましたよ」
リーは俯いて、その場を離れようとする。
私は、リーの肩を軽く叩いた。
指揮官「リー、君が隊で一番冷静に判断ができるんだ。もし私がいないときは、しっかりとルシアをサポートしてくれ」
リー「勿論です。言うまでもありません、その為の訓練は積んできました」
指揮官「それと、リーにはこれをしかるべき時に使ってほしい」
リーフには聞こえないように、唇をほぼ動かさずにささやく。すかさず、リーもそれに合わせる。
リー「---これは小型の記憶媒体装置ですか。音声再生をできるようですが」
指揮官「ああ。死んだときの遺言だ」
リー「また、急なことですね」
怪訝そうな顔をするリーを、なだめる。
指揮官「最後の最期でということもあるから、今朝作ったんだ。中身は、私が死んだときに皆で聞いてくれ。」
リー「構造体は感動では泣きませんよ。それより、指揮官の奥様になにかを残すべきでは」
指揮官「あっ…」
リー「一番心配する人間は、彼女でしょう」
指揮官「おっしゃる通りです」
リー「----なにはともあれ、言われたことは果たします」
リーは記憶媒体をしっかりと装備の奥へとしまった。
ちょうど、いいタイミングだ。
指揮官「リー、私が退役することについて、謝りたい」
リー「はぁ、そんなこと必要ないですよ。僕はあなたがいなくなって嬉しいですから」
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