夢の残骸に思いを馳せて
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10:名無しNIPPER[saga]
2021/01/10(日) 20:43:51.10 ID:rddhOFwr0
下から何かが浮き上がってくる。それはキャラクターの絵が描かれた風船だった。下を見ると空に両手を伸ばしている少年がいた。

自分だ。そう…最後にこの遊園地に来たとき、買ってもらった風船を離してしまったのだ。結局空に浮かび上がった風船は帰ってくることなく泣きながらも諦めることになった。

その風船が今ここにある。描かれたキャラクターは満面の笑顔で笑いかけてくれている。


今、自分は大人になって忘れていた何かを取り戻せたのだろうか…あの頃失った何かを受け取れたのだろうか


いつの間にか流れていた涙は量を増し、風船を抱きかかえながら嗚咽すらも漏らしていた。


「君は…君は、これを見せたかったのか…?」


後ろを振り向く。あの頃の自分が微笑んでいる。幼少期の自分が両手を広げ、どこまでも純粋な、どこまでも透き通った笑顔で


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