夢の残骸に思いを馳せて
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1:名無しNIPPER[saga]
2021/01/10(日) 19:10:05.08 ID:rddhOFwr0
ついに取り壊しが決定した


ここの遊園地は、かのバブル期の建築ラッシュで建てられ、多くの来園者が笑顔と思い出を作っていった

しかしバブル崩壊と共に客足は徐々に遠のき、遊園地側も新しいアトラクションや子供向けアニメとのコラボ等をするも費用と収入の差はどんどん開き、やがて緩やかに、緩やかに……そして誰に知られることもなく、ひっそりと閉園していった

あれから十数年、この土地は誰からも忘れ去られ、取り壊されることなく時の止まった夢の残骸としてこの場に捨て置かれている。それを証明するかのように、入り口に掲げられた巨大な時計は停止した時間そのままに過去を現在に投影していた。
時計を掲げるキャラクターの笑顔はもう客に向けられることはなく、ただただ虚空に向かって健気に微笑んでいる。そんなもう誰にも向けられない笑顔を見ていると何だか胸が苦しくなり、ついに顔を逸らしてしまう

この遊園地はもう取り壊しが決まっている。きっと何も無くなる。そしてその上に何かがまた建てられるのだろう。夢の残骸があった場所に、自分の思い出の地に…


それを考えたくなくて目を瞑ると廃墟が廃墟でなく、夢の残骸が本当に夢を与えていた時代が蘇ってくる

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