日暮とわ「ありがとう、もろは」もろは「へっ。なんてこたぁねえよ」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2021/01/10(日) 01:35:44.93 ID:t2pG1yiMO
「それで私はどうすればいいんだ?」
「一緒にしてくれるだけでいいよ」

もろはは簡単に言うが、なかなか難しい。
私がもろはの前に座っているならまだしも、抱きかかえている現状、察知出来ない。

「何か合図を出してくれ」
「じゃあ、そんときは手を握るよ」

湯船の中でもろはの指が私の指に絡まる。
それを握った時が合図。上手くいくのか。
いや、成功させるんだ。前向きにいこう。

「なんか緊張すんな」
「やっぱりやめておくか?」
「いいや。それは怖気づいたみたいで性に合わねえ。とわだって犬の大将の爺様の血を引いてるならわかるだろ? 絶対に逃げちゃならねえ戦いが、今だってことくらい」

犬の大将が聞いたら怒りそうな台詞だが、確かに尻尾を巻いて逃げるのは性に合わない。
半妖である私と四半妖であるもろはに尻尾はないけれど、負けず嫌いなところは同じだ。


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