13: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2020/12/31(木) 22:03:19.81 ID:31ioHmBu0
「まさか、これがそうなのですか?」
エミリーも思わず前のめりになった。多分、私も一緒に前のめっていた。
すると店主さんは、私たちの中で唯一お代わりをした貴音さんの前にその小瓶をちょんと移動させて。
……もしかしてサービスなんだろうか?
だけど貴音さんは、小瓶を軽く見つめただけ。
「これはこれは、そのお気遣いは真、心に沁みます。……ですが、私たちが所望するは食後の熱いお茶を一杯」
お茶を頼むにしてはキッパリとして強い口調。
その迫力に私とエミリーも思わず居住まいを正してしまった。
すると店主さんも、貴音さんには必要ないと分かったのか、その視線を今度は私たちの方へ向けて。
「あ、あの、私もお茶を一杯!」
「はっ、はい! 貴音さまと同じ物を……」
だって、こればっかりは仕方ないと思う。
貴音さんが要らないって言ってる物を、私たちが貰うのも気が引けるし。
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