志保「三麺娘とソバの話」
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12: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2020/12/31(木) 22:01:14.93 ID:31ioHmBu0

3.後ほどの話

と、ここまで話を聞いた時点で、私は出されたお蕎麦の最後の一本を呑みこんだ所だった。

不思議なことに食べ終わりのタイミングは三人同時。

エミリーも一緒に箸を置いて、貴音さんも三杯目のお出汁を飲み干しお椀を置いた。


「それで、A子さんはどうなってしまったのでしょう?」


ごくっと喉を鳴らしてから、エミリーが気になってしょうがないって風にそう尋ねた。

私も勿論聞きたかった。

彼女は無事にロケを終えることが出来たんだろうか? 伝説の漢方薬の効果のほどは?

なのに、店主さんは勿体ぶった様子で机の下に手を伸ばすと、


「あ、それって!」


思わず私は声を上げた。

コトン、とテーブルの上に置かれた小瓶。

イメージの中じゃ茶色の薬瓶を想像してたけれど、実物はコルクで栓をするような陶器製の可愛いらしい瓶で。


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