高森藍子「加蓮ちゃんたちと」北条加蓮「生まれたてのカフェで」
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44:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 21:05:07.14 ID:mOMWMpAw0
私達の好きな世界は、いつだって循環して、いずれ私達の創る世界になる。
アイドルだってそう。アイドルに恋焦がれて、私に奇跡が訪れて、そして今度は私に憧れてくれる子がいてくれるようになった。
藍子にとっては……カフェがそうで、だけどカフェだけじゃなくて。
それは道端にあるもの。手を伸ばせば届く距離にあるもの。どこにでもあるもの。
だけどそれを知らない人、気付いていない人がいる。

藍子がこれから創るのは、きっとそういうのを教えていく世界。

藍子がアイドルとして、完成させてゆく世界。

やがて辿り着くのは……。


「加蓮ちゃん」

白い息を吐いた藍子は、頬にたっぷりの情熱を押し込めて言った。

「うん?」
「そろそろ、中に入りましょう。どこから始めましょうか……。まずは今日の反省会からですっ。失敗しちゃったな、って思うことも、たくさんあって……。あと、次はこうしたらいいかも、ってことも、ミーティングです」
「あははっ。休まなくて大丈夫? ……なんて。いいよ、とことん付き合ってあげる」

ポケットの招待状が、服の中で折り曲がっちゃった。少し悪いなと思いながら、藍子へと返してあげた。
藍子は両手で受け取って、一瞬、目を落として……大切にしまいこんでから、甘みのかかった茶色の扉へと早歩きで向かった。


【おしまい】


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