高森藍子「加蓮ちゃんたちと」北条加蓮「生まれたてのカフェで」
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 20:47:08.07 ID:mOMWMpAw0


□ ■ □ ■ □


高森藍子ちゃん、試練の時!

「…………」
「…………」

……なんて大げさに言ってみたけど。とはいえ、目の前の光景は大げさなキャッチコピーよりも言葉にしにくい、奇妙なものだった。
藍子が両手を前に揃えて立っている。
そーちゃんが向かいに立ち、全く同じポーズを取っている。
お互いに何も言わない。
藍子は店員さんが注文を待っている時のように佇んでいるし。
そーちゃんは医者が病状を伝えるのを待っている時のように少し緊張気味。

「……そ、そーちゃん」

先に口火を切ったのは藍子だった。
声が明らかに震えているのが感じ取れて……あぁ、そっか。これは逆みたい。
緊張しているのは藍子の方だね。

「私のこと……分かりますか?」

かつて藍子と2人で病院へ向かい、そーちゃんと再会した時に、「しらない!」と言い放たれた藍子。
ここへ来る途中も、藍子の名前を出してもピンと来ていない様子だった。
さあ、今のそーちゃんの答えは!

「えっと……ええっと……だ、だれだっけ?」
「うぐっ!」

藍子の身体が「く」の字に曲がった。前掛けの白ひげおじさんがくしゃりと歪み、鼻とひげの次にお腹が位置するヤバいアートみたいな状態になってしまう。
これは、ちいさなクリスマス会が打ち切りになっちゃうんじゃ――

「あっそうだ! おもいだした、あいこちゃん! わたし、おもいだしたよ!」
「……!!」

パッションアイドルらしく、ぐっ! とガッツポーズをしてみせる藍子。過去1番のドヤ顔だったかもしれない。
それにしても、8歳の女の子に振り回される16歳……。改めて考えると、うん。……やめとこ。


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