39:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:15:35.04 ID:uyzFntxd0
俺は思う。
そうだった。こいつは静謐で神聖な雰囲気を纏う天然ボケだった。歳の離れた弟妹にもたまに敬語で話すようなコミュ障だった。みんなから遠巻きにされた広い世界をひとりで歩く、普通の高校生だった。
そして俺の友達だった。
「うん、馬鹿だろお前」
豊橋は俯いたまま、何も言わなかった。だから俺は言葉を続けた。
「チャリで急げば片道三十分もかかんねーだろ。おら、とりあえず後ろ乗れ!」
「……え」
びっくりしたように俺を見て立ち尽くす豊橋。その手を引いて、問答無用で荷台に座らせた。
そして力いっぱいペダルを漕ぎだす。豊橋は驚いたような声を小さく上げて、俺の両肩を手で掴んだ。
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