9: ◆ivbWs9E0to[saga]
2020/12/18(金) 21:29:42.27 ID:dICjsRIu0
早朝ロケの、というよりは簡単な中継だけど、現場の公園に着くとプロデューサーさんやスタッフさんが談笑していた。力の抜け具合を見るに、もう段取りの確認は済んでいるみたい。
おはようございますと挨拶する頃には空は青色。さっきの灰色がかった空色ではなく、鮮やかで爽やかな青色。その中にはいつもの私と志保ちゃんと、他の皆さん。
「お、おでんか。まだ大丈夫だからパパッと食べちゃって良いぞ」
はーい、と返事をすると、手持ち無沙汰そうなメイクさんが志保ちゃんに目をつけて連れて行ってしまった。
おでんの容器をパカっと開けると、湯気と共に出汁の良い香り。
でもさっきの不思議な空間には匂いなんて無かった。朝特有の、ピンと張り詰めた澄んだ匂い。どんな匂いだったかなぁ。すべてを塗り替えてしまうおでんを恨めしく思う。
わっしわっしと勢いよくはんぺんを食べていると、そんなに慌てなくて良いぞと声をかけられる。これは八つ当たりですよーだ。
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