23歳男だけどガチでサンタクロースを信じてるんだが異端か?
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31: ◆CItYBDS.l2[saga]
2020/12/17(木) 18:50:35.12 ID:Hnopzhod0

「だから、サンタはいるって言ったでしょ」

「マジすか」

 彼女は、困惑しながらも僕から袋を受け取りイヤリングをつけて見せてくれた。

「サンタの方がセンスはいいですね。うへへ、ありがとうございます」

 物言いはともかく、彼女の笑顔に僕の胸は幸せに満たされる。

「あ、私からも。メリークリスマスです。先輩」

 紺色の毛糸のマフラー。おそらくは、彼女自身の手によって編まれたものであろう、ところどころにほつれが見える。

「ありがとう。しかし、手編みのマフラーってベタだなあ」

 彼女はムッとした表情で、僕の手からマフラーを奪い取り、サッと僕の首にマフラーを巻き付けてくれた。首に巻かれたマフラーは、毛糸がちくちくとしてむず痒かった。 

「このまま絞め殺してやろうかな」

「え、まじで!? ありがと!」

「なんで、嬉しそうなんですか……」 

 彼女の言葉に、僕はハッとする。
 いつもなら、口に出る前にストップがかかるというのに、今日はクリスマスで気分が浮かれていたせいか。つい願望が口にでてしまった。……ん? ……願望? 

 そう。僕は、望んでしまっていた。彼女が、非日常に恋い焦がれるように、僕は僕が痛めつけられることをどうしようもなく望んでいたのだ。

 ああ―――なんてことだ。この幻想的なクリスマスの朝に、僕はどうしようもなく逃れられざる現実をつきつけられてしまった。

 長きにわたる検証の結果は、黒。

 どうやら僕は、真正のMであるらしい。


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