23歳男だけどガチでサンタクロースを信じてるんだが異端か?
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28: ◆CItYBDS.l2[saga]
2020/12/17(木) 18:48:55.07 ID:Hnopzhod0

 僕の心臓がばっくんばっくんと踊り狂いだす。ててて適当にはなしをでっちあげて! どどどどどどど同衾!? 違う、そんなつもりじゃないんだ! たたたたしかに今日は、彼女と二人きりで過ごす初めてのクリスマスイブ。付き合い始めたのはもっと前だが、昨年は僕の仕事のせいで会えなかった。

 であるが、決してそんなつもりでサンタの話をしたんじゃない! 脳内を、否定の言葉が駆け巡るが、どういうことかどれもこれも言い訳じみてて、それを口にしたとたん彼女に魂胆を見抜かれそうで。僕は「あ」とか「ご」とか、言葉にならない単語を漏らすことしかできなかった。

「なんだ、違うんですか」

 僕の慌てぶりから、あてが外れたとばかりに彼女は溜息をついた。その溜息が、自身の推理が外れていたことへの悔しさなのか、はたまた僕の意気地の無さへの失望なのか。僕には見分けがつかなかった。

 彼女は、僕の頭から手を離すと、どこか不満げにソファーに横になった。そんな彼女の姿を見て、僕は自分のあまりの情けなさに泣きそうになってしまう。

 僕たちは、付き合い始めて既に2年近く経つ。にもかかわらず、僕たちはまだ結ばれていない。それは、ひとえに僕が彼女を大事にしているから? いや、これは言い訳でしかない。僕は、彼女に拒まれるのがとてつもなく恐ろしかったのだ。

 それにしても二年は長すぎる。彼女の二つ目の推理。あれは、推理にかこつけたお誘いだったのではないか。臆病者の僕を、見かねて彼女が救いの手を差し伸べたのだ。が、僕は、そのチャンスすらみすみすと手放してしまった。女に誘わせ、それでもなお狼狽えることのしかできなかった僕に、彼女は失望したことだろう。 

「じゃあ、最初のつまらない推理のほうでいいですね。サンタクロースは先輩のご両親です」

 抑揚のない、どこか棘のある彼女の言い様に、普段であれば心地よく感じるその冷たさに、僕は素直に喜べないでいた。もはや、僕がMであるかどうかなんて検証は意味を持たない。そんなことは関係なく、今の僕はただの情けない糞野郎だ。


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