白雪千夜「アリババと四十人の盗賊?」
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99:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 01:15:18.38 ID:tRJaplXx0
 建物を囲む打ちっぱなしの塀を隔てて、都会の喧騒を耳にしていた。車が行き交い、忙しない足音が響いたり止まったり、察するに今、信号が赤になったところだ。風が街路樹を揺らす。時々鳥の声もする。自販機で買ったミルクティーは、開ける気にならずジャージのポケットだ。

 稽古は上手くいかない。考えるべきことも手につかない。現実は理想とやらと乖離して、問題ばかりが山積みらしい。それでもちょっと頭を冷やしたら、また戻っていかなければならない。

 歩いていても、コンクリートは代わり映えがしない。ヒビとかシミとか、もっと面白い形になってくれればいいのに、と思う。ぼうっと頭を動かしていると、土の色。煉瓦に囲まれたそこに、名前は知らないがピンクの花と、黄緑の大きい葉。

 そこで視界に違和感を覚え、つと目をやった。
 花壇にうずくまる人影がある。


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