8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/01(火) 22:59:41.37 ID:6NLLeJ5C0
文香はまた笑んで、
「はい。奴隷だったモルジアナは、その叡智と巧みな舞踊、あるいは武術をもって、八面六臂の活躍を見せ、最後には資産家となった、アリババの息子と結ばれますから、その将来も明るかったことでしょう。彼女自身は、何らの魔法や、奇跡に頼るのでもありませんが、アリババに魔法のような偶然が訪れた、という好機を、己が常からの資質をもって、幸福に結び付けた、というところを一考するに、アラブのシンデレラ≠フ一人と、言えるかもしれません」
「一介の僕でありながら、随分とまあ、主人よりも上等といえるくらいに洗練されていたものです。ある意味ではその点、開けゴマ≠謔閧焜tァンタジーだ」
――そして、見上げたものだ。
「謎、ですね」と文香。
「はい」
「モルジアナには、謎がある」
「ええ」
「大きな謎です」
「そうですが」
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