71:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/01(火) 23:54:44.36 ID:6NLLeJ5C0
軽く開いてみると、まだまだ新しい本らしく、軋むような抵抗を感じた。ぱらぱらと頁を捲る。見つけた。『アリババと、女奴隷に殺された四十人の盗賊の話』。思っていたより物騒なタイトルだ。さっと読み進めてみる。
《「強大なるスルタンさま」とシェヘラザードが言いました》――
「乗り換え、ですね……」
言われて千夜ははっとした。というより実際、驚いた。それを言うのは自分の役目だと決め付けていた。話や本に夢中になるのは文香の方だ、と。
電車が止まり、ドアが開く。二人は降り、行く。
――Chapter4 “話がしたいよ[Chorus1]”
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