160:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 02:01:05.60 ID:tRJaplXx0
目を切ると、都は笑顔で千夜を覗き込んだ。やっぱり、やりづらい。そんな風に見ても何も出ないのに。ため息の牽制も、効果はなかった。
「私が美術ではなく、美術館を好きだといった理由を問いましたね」
「はい!」
「リトルなリドルですよ、そんなのは。別に教えてもいいのですが、またにしておきましょう。今は私にだって、解決すべき問題がありますから。それまではその謎を挑戦状にしておきます。自力で答えを見つけてみるのですね、探偵さん」
都はしばし呆けた顔を見せてから、花咲く満面の笑みで頷いた。
さて、と千夜は歩む。まずロッカールームに寄って、稽古はどこから再開するのか、ああ皆に向けて一言謝っておかなければ、あれやこれやと考えながら身体を伸ばした。都の足音が後に続く。志希の残した匂いが鼻腔をくすぐった。
――Chapter7 “ピュアなソルジャー”
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