白雪千夜「アリババと四十人の盗賊?」
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14:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/01(火) 23:03:02.77 ID:6NLLeJ5C0
 いよいよ話は脱線し、千夜の知るべき領域を逸しつつあるようだ。それはちょっとした焦燥をさえ覚えさせた。
「あの」
「ん…… はい」
「たくさん教えて頂いて、ありがとうございました」
「あ…… ええと、はい。その、なんだか、話し過ぎてしまったようで……」
「……いいえ。随分、お調べになったのですね」
「はい、ええと、プロデューサーさんとお話ししていたら、気になってしまって……」
「はあ。では、彼にも聞いて貰えるといいですね」
「ん…… はい」

 文香が目を細めた。その眼が、たった今になって潤ったように見えた。
 丁度この場を離れるタイミングではあったが、ふと、胸に何かが芽生えた。後ろ暗いといってもいい何か。それはどうやら誘惑、おそらく背徳的な――この綺麗な顔を、試してみたい。



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