白雪千夜「アリババと四十人の盗賊?」
1- 20
134:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 01:40:51.74 ID:tRJaplXx0
 話を聞いていたのかどうか、あまり分からない感想を述べて彼は、
「アイスコーヒーどう? 紙パックだけど」と言い添えた。
 かぶりを振った千夜に背を向け、給湯室へ向かう。
「戻るにせよ、そうでないにせよ、僕が頭を下げにいくよ。まあ、あの先生には要らない気遣いだろうけど」
「しかし……」
「戻るなら大歓迎だろうよ。今回千夜をモルジアナにって言い出したの、あの人だし」
 彼は言う。つまり、千夜に面倒な試練を与えたのはあちらということだ。まるで嫌がらせのような詰問を。

「お前が魔法使いなら、あの先生は狸の妖怪ですね」
「あはは…… 千夜、失礼だから誰にも言うなよ」
 悪意からのことでないのはもう分かっている。千夜はあの先生の眼を知っている。何かを追いかける者の瞳は、映す輝きの一端を、写し取らずにはいられないのだ。

 むろん支持はしかねたが。やはり狸の妖怪だ。
「僕が否定しなかったのも内緒な」
 彼が姿を消している間、千夜はぐるぐると考え続けていた。関係性だと? 適当なことを言って煙に巻いたんじゃないだろうな? もう一回くらい怒鳴ってやれば、詳しく言ってくれるだろうか……




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
234Res/183.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice