72:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:02:11.59 ID:F8D/mY4l0
話し終わってから。
彼女は胸ポケットから四角い箱を取りだす。
一本引き抜いて、それにライターで火をつける。
ルージュの唇に、ソレを咥えて。
薄い胸をゆっくりと膨らませて、口から煙を吐き出す。
長くなった灰を灰皿へポトリ、と落として。
バタ子は口を開く。
「ライブ、よかったよ。莉緒」
短くて。そっけないけれど。
この子なりの、これ以上ない称賛の言葉。
「そう。よかった」
私も同じように、そっけなく応える。
自身の表情を隠すように、彼女は煙を吐き出す。
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