45:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 01:32:59.76 ID:F8D/mY4l0
「ムムー!
アンタはどうなのよ。私のライブで先輩といい仲になるつもりなんでしょ?
恋のキューピットなんて私、ガラじゃないんですけど?」
私は悔し紛れにそう言う。
バタ子は少し目線を伏せて、一瞬間をおいたあとニカッと笑う。
「まぁ、ね!アンタの歌声に全部かかってるんだから、もう馬鹿なことして喉潰さないでよ?」
「言われなくても、もうタバコなんてこりごりよ!」
私はグビっとビールを飲み干す。
そんな私を、微笑ましく見るバタ子。
「でもこれ、噂の彼のタバコの空き箱でしょ?」
後ろに隠していたものを取り出す。
化粧台の隅に置いておいた、潰れたタバコの箱。
どうやらお手洗いの後、目ざとく見つけられてしまったようだ。
「うん。どんな銘柄なのか、覚えておきたくって」
それも今は、あんまり見たくないケド…。
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