【ミリオンライブ】ちょっとファンタジー劇場
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24: ◆gxyGj7UNSanm
2020/10/30(金) 02:31:32.10 ID:dk3wt1/f0
「プ二子じゃありません!?確かに食べちゃったのは私ですけど……うぅ……」

と、噂をすればなんとやら。
談話室に訪れたのは雪歩だった。
これでまだ起きてこないのは青羽さんだけになった。

……まさかもう仕事始めてるなんてことないよな?青羽さん。

「おはようございますぅ」
「あ、百合子ちゃん、おはよう!
 朝ごはんまだなら一緒に食べよう!」

元気に挨拶するアイドルの鑑二人。
これも765プロの教育の賜物である。
ところで雪歩もそうなんだが、いちいちお前ら俺の前に立つ必要あったか?

何はともあれ。
大概俺としても気まずいのではあるが、まあ挨拶ぐらいはしないといかん。
あとプ二子はすまんかった。さすがに言いすぎだな。

「よう、おは……よう?」

と、挨拶が疑問形になったのも仕方のないことである。
別に距離をつめたわけでもないのに、手を挙げて挨拶しただけで飛びのかれてしまった。

「おい春香」
「どうしましたプロデューサーさん」
「なんか百合子が昔の雪歩みたいになってるんだが」
「ご、ごめんなさい〜!」

なぜ雪歩が謝るのか。
とりあえず、談話室の入り口で、扉を前にハムスターのようになっている百合子に声をかける。

「いろいろすまなかったな、百合「近づかないでください!!」子?」

ハムスターじゃねえなこれ。チワワだわこれ。
キャンキャン鳴いとるわこやつめ。
しかし近づかないでくださいかあ……わりとショックを受けますねこれは。
いつかは春香や真にこんな風に言われる時が来るかとは思っていたが、どうやら最初に反抗期になったのはこいつらしい。

「……悪い、まさかお前がそこまで俺のことを嫌っていたとは……」
「嫌ってなんかいません!!」

かぶせるように大声を出す百合子。
すげえな、嫌われてないのに距離をとられるってそれはそれでわけわからんぞ?

「えーじゃあ近づいても……」

しかし、なんでこんなやり取りで俺は笑っているのか。
楽しいから、だろうか。よくわからん。
まあ、本気で嫌がっているわけじゃないっていうのはわかる。だから、話しかけることは、できる、のだが。

だけど、なぜか、そのやり取りが、愛おしいものに思える。
よくは思い出せない。まあ思い出したりする必要もないんだろう。きっと。

「駄目ですっ!!!近づかないでください!!
 それ以上近づくと―――」

なぜなら、きっと、それは。

「―――恋しますよっ!?」

今ここに、あるものなのだから。

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