23: ◆gxyGj7UNSanm
2020/10/30(金) 02:30:40.52 ID:dk3wt1/f0
「と、いうわけでプロデューサーさん!クッキー作ってきました♪」
と、いうわけで今に至る。
何がと、いうわけなのかは知らん。
結局、当初の目的は果たせなかったが、夜更かしした悪い子は無事爆睡中である。
泊まらせた意味があったのかなかったのか。
「あ、お茶入れますね、プロデューサー」
「おー助かる助かる。
今ならいくらでも食えるぞー」
どこかで誰かが目を光らせた気がしたが、気のせいだろう。
きっと気のせいだ。さすがに朝から中華は食えねえ。
「そういやチョコレート残ってたな」
「冷蔵庫にあったやつですか?」
「そうそれそれ。
苦いらしいんだけど、今なら食える気がする」
シチュエーションだけなら、確かに美少女に泣かれるというのはドラマティックだが、実際誰かに泣かれるというのはきついものがある。
で。そんなストレスが去ったら次に襲ってきたのは空腹感。
最早外に出るのも嫌なくらいの空腹に耐えかねて、談話室を訪れた俺を待っていたのは。
休日出勤してくださった天海春香様と、萩原雪歩様だったのである。
朝も8時にならないうちに仕事場にくるとか社畜も真っ青である。
春香は始発に乗ってきたらしい。お前昨日何時に帰ったっけ?
「そういえば、百合子ちゃんはどうしたんですかぁ?」
お茶を入れながら、雪歩が聞いてくる。
「まだ寝てるみたいだな。
結局興奮して寝れなかったみたいだ」
「……」
「……」
会話が止まった。
まるで俺が空気の読めないこと言ったみたいじゃないか。
「ふーん。そうなんですかー」
「ふーん……そうなんですか……」
別に間違ったことは言ってないぞ?
うん、言ってない言ってない。
後ろめたいこともないんだよなぁ。
だがこいつらは余計なところで勘がいいので油断ならない。
「寝れなかったのをなんで知ってるんですかー」
「そりゃ朝起きた後、直接話したからな」
「あくまでも白をきるつもりですかぁ……?」
知らん知らん。
幸いに名探偵などこの場にはいない。
ここにいるのはドジっ子美少女と穴掘り系美少女だけである。
「て、照れますぅ」
「プロデューサーさん♪お弁当も作ってきたんですよ♪」
春香お前それ自分の弁当じゃないのか。
ともかく機嫌が直ったようで何よりである。
「じゃなくてチョコレートだよチョコレート……あれ?」
開いた冷蔵庫には、チョコレートはすでになかった。
え、結構な量あったはずだぞあれ。
青羽さんが食べたのか……?美容にいいって言っていたが、さすがにこの量はまずいだろう。
恐るべしは美容への執念である。
苦いのが嫌いとか言ってやっぱり好きなんじゃないか。
それとも百合子だろうか。これだけ食うともはやプ二プ二になってそうだな。主に腹が。
七尾プ二子。
意外とゴロがいいな?
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