8:milktea ◇FbOBNw0his[sage saga]
2020/10/24(土) 17:00:10.91 ID:bAY8bfVX0
信号が点滅する。そろそろ頃合いかな?
「ねえ、プロデューサー」
助手席から体を伸ばす。彼の耳元に両手を当てて。
「今日も夜、待ってるからね」
わざわざ早起きして事務所に来てまで伝えたかった言葉を、囁いた。
「…………ッ!」
バッと彼が身じろぐ。予想通りの反応。本当に分かりやすい。
「もう〜車で暴れちゃいけません〜〜〜!事故起こしたらどうするんですか〜?」
「…………!そうだな、すまん……でも……そういうのはもうやめるって決めたから。待たれたって困る。雛菜の帰りが遅くなるだけだ」
「前も同じようなこと言ってませんでした〜?」
「…………前は関係ない」
「……ふ〜ん?」
「まあいいです〜〜〜取り敢えず、この話はもう終わり〜〜〜」
「いや、おい……!」
「信号、青ですよ〜?」
まだ何か言いたそうな彼を無視して、少し眠ることにする。目を瞑り、体重を後ろのシートに預けると、すぐに眠気がやってきた。今日も一日、幸せな日を過ごせそう。そんな予感に高鳴る心を体の奥底に鎮めるように、意識を手放した。
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