7: ◆eodXldT6W6[saga]
2020/09/27(日) 23:40:16.01 ID:PHaCgA4wO
久住「果穂ちゃん、ドーナツ食べる?」
果穂「いいんですか!?」
久住「ええよ、ええ曲教えてくれたお礼」
紙袋のなかのドーナツはどれもカラフルで目を引いた。ストロベリーミルクのピンク、抹茶の濃い緑、チョコレートとホワイトチョコレート、サクサクしていそうな狐色のオールドファッション。スプリンクルがまぶされたおいしそうなドーナツたち。果穂の目は輝き、どれを選ぼうか本気で迷った。ついに果穂がどれにするかを決めドーナツに手を伸ばしたそのとき、久住は紙袋を持った手を引っ込めた。
久住「あ、あかん。これ人にやるやつやった」
果穂「あっ、そうなんですか……」
久住「ごめんなー。そや、代わりにこれあげるわ」
果穂「なんですか?」
久住「おれのツレが工場持っとってな。そこで作っとるお菓子」
久住がシャツのポケットから取り出したのは円筒状のクリアケースだった。ケースを透かして中身が見える。カラフルなトーロチ状のものがケースいっぱいに詰まっている。ドーナツEP。久住がクリアケースを一振りするとカシャカシャと音を立てて中の色が跳ねる。軽快なリズムと踊るような色の跳躍に果穂の目が輝いた。
久住「おいしかったら、友達にも配ったって」
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