31: ◆eodXldT6W6[saga]
2020/09/28(月) 23:57:53.15 ID:7MqFVx3xO
伊吹「むじぃよ、何の話かまったくわかんない」
志摩「いや、おまえは分かれよ。警察官だろ」
伊吹「なんとなくは分かんだよ。でも、こうなんつうか納得しづらいっていうか腹の底にすとんって落ちてこないっいうか」
志摩「じゃあ、おまえはどう考えてるんだよ」
伊吹「んー、おれはさ、機捜の仕事が気に入ってんだよ。だれかが最悪の事態になる前にとめられる、それがおれらの仕事だからさ」
伊吹はそこで一度言葉を切り、舌にすこし力を込めて言った。
伊吹「だから、おれは拳銃は抜かない。最後の手段をとるまえになんとかしたい」
果穂「さいごの手段……」
果穂は噛み締めるようにふたりの言葉を反芻した。自分の態度が現実離れしていることはなんとなく理解できた。どこ間違っていたのだろう? 危険な犯人を逮捕するためには拳銃が必要なのだと思ってた。でもそれは最後の手段だって、最悪の事態だって言っていた。最後、最悪、それが意味するのは……
果穂のうなじを濡れた蜘蛛の足のようなさむけが走り抜けた。
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