30: ◆eodXldT6W6[saga]
2020/09/28(月) 23:57:09.01 ID:7MqFVx3xO
果穂「なんだかヒーローの武器みたいでカッコいいです!」
果穂は無邪気だった。正義と悪の二元論のもとで正義を行使できる拳銃を正義の象徴として果穂は考えていた。
伊吹「ヒーローの武器かー。でも怪人相手じゃ頼りないよな」
志摩「まあ、怪人だし」
果穂「どうかしたんですか?」
果穂はふたりの雰囲気の微妙な変化を察知した。怒っているわけでなく、あくまでさっきまでと同様に優しく穏やかな態度だったが、口を開くまでに僅かな逡巡があり、言葉に対する緊張感が口元に滲み出ていた。
すこししてから、志摩が口を切って話し始めた。
志摩「正義ってさ、信じてるあいだは強いんだよ。何の疑いも持たずに他者の振る舞いを制限できる、その根拠が正義だったりする」
志摩「正義によって行使される力は強い。でも、正義そのものは行使される力に耐えられるほど強くない、ときもある」
志摩「治安を守るために拳銃を撃たなきゃいけないこともあるかもしれない。でもそれはとても厳しい条件を満たしてなければいけない。まあ、怪人相手ならいいんだろうけど」
果穂「えっと……」
伊吹「志摩」
伊吹が志摩の名前を呼び、そして言った。
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