8:名無しNIPPER[saga]
2020/09/20(日) 13:47:34.68 ID:DMraZkfV0
実はも何も尊敬と畏敬の念を抱いて然るべきであった相手が同僚であったのだという事実と、その女神と対等かつフレンドリーな関係を築いてしまっていた意味の分からなさに社は困惑を隠せない。
「すんません、率直な疑問なんですけどどうして俺なんかにそこまでやってくれるんですか? だって、俺なんかただの下等な人間じゃないですか」
「何言ってるんですか」
社にとって当然の疑問に、しかし女神はぴしゃりと。
「当たり前でしょう。仲間じゃないですか」
慈愛という鉄拳で頬を殴られた青年は、予想もしなかった温もりに目頭を熱くする。
「止めて。泣いちゃう、俺」
「他にもほら。ええと、また来月に大型箱イベント有るじゃないですか」
「ん?」
妙に地に足の着いた言葉がモイラの口から放たれ始め、社の決壊寸前だった涙腺から涙がすっと引いていく。
「いちからの?」
「いちからの。社さんには出て貰わないと困るんですよ、私も。社員さんたちも。ド葛本社は目玉の一つでもありますから」
モイラの言い草に社は耳を疑った。
「えと……俺、死んだんですよね?」
「死にました。社さんはしーにーまーしーたー。……何度も言わせないでくださいよ」
「あ、すいません」
あれ、話が噛み合わなくなってきたぞと青年は首を捻る。
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