17:名無しNIPPER[saga]
2020/09/21(月) 01:51:55.35 ID:7av7wDk10
「いやいや、ARKじゃねえし。現実だし。とは言えその感想は俺にもワカル」
姉弟は顔を見合わせる。二人とも、鏡映しのようにその顔は喜色満面である。そして声を合わせた。
「「冒険だァッ!!」」
その目はきらきらと、まるで子供のように、宝石のように。幼いころにヒーロー特撮を、魔女っ子アニメを毎週追いかけていた時のように。
それ以上の彩度で。
一しきり目を輝かせた後で「そんでさ……」と葛葉が切り出す。ひまわりには彼が次に何を言い出すか察せてしまっていた。
「アレ、どうするよ?」
アレ――アレである。
「ほっといたら一生やってそうやんな、アレ」
二人は首だけで振り返り両親の姿を覗く。社とドーラは無限に続く断罪と謝罪のループのただ中から抜け出せずにいた。地獄や、とひまわりは即座に理解する。あの中に割って入るのも、母親を宥めすかすのも。
「母さん、俺たちのために怒ってるんだろうな」
「やな。せやから許すに許されへんくなっとるんよ」
恥ずかしい分析を子供たちからされてしまうファイアードレイクの姿が、そこには有った。
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