【にじさんじ】社築「家族旅行は異世界で」
1- 20
14:名無しNIPPER[saga]
2020/09/20(日) 14:46:47.30 ID:DMraZkfV0
「そこまで言います?」

「言いますよ。ついでに言っちまうと、この空間だってモイラ様がチョイスしたんでしょう? 俺がオタクだから。『分かって』っから。ぶっちゃけ『この〇ば』のオープニングリスペクト丸出しじゃないですか、ここ。この空間」

「だとしたら? なんなんです?」

「だとしたら俺はオヤクソクに則ってここにあるカードから能力を選ぶことは最初からしちゃいけないって事になる。突拍子もない提案をしなきゃいけないって事になる」



 だが、知っているだろうか。英雄は最初から英雄ではないということ。



 だから女神モイラは優しく問う。それが規定事項であるように。

「社さん、受けたい恩恵を教えて下さい」

 社築は目を閉じる。今、この瞬間から彼の異世界転生が始まる事を、肌で理解していた。

「俺が選ぶ恩恵は――」



 重ねて重ねて繰り返す、社築は英雄ではない。

 英雄が最初から英雄ではないのは確かだが、しかし英雄になれる人間はごく限られている。それが現実だ。そして社築は英雄になれる器では決してない。そんなことは彼本人が誰よりも一番よく分かっている。



「――家族、で」



 だから、彼にとっての「ヒーロー」を頼る。

 これは決して「彼」の異世界転生の話ではない。これは「彼ら」の異世界での話である。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
38Res/50.90 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice