僕っ娘剣士「黙れ犬!僕を女扱いするな!」少年「でも、お嬢は女だし……」
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33:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/19(土) 20:33:14.81 ID:ZPljtdP8O
場面は再び道場へと戻る。

「白いの。もっとそっち寄って」
「妹弟子のくせに図々しい奴め」

寝台を我が物顔で占領しようとする妹弟子に苦笑しつつ、姉弟子はスペースを空ける。

「お前のその無駄に自信満々なところだけは、私の姉さんにそっくりだ」
「白いのの姉ってどんな人なんだ?」
「私の姉はお前と違って本物の自信家で、それに見合う実力も備わった天才だよ」

どうやら白いのはシスコンらしい。揶揄う。

「お前はその姉とやらが大好きなんだな」
「尊敬はしている。しかし、現実は厳しい」
「どういう意味だ?」
「姉は確かに私の目標だが、あまりに高すぎる。決して追いつけない存在を目指すことは困難だ。たまに、諦めてしまいそうになる」

弱音など初めて聞いた。思わず、聞き入る。

「お前はいいな。現実が見えてなくて」
「悪かったな」
「褒めているんだ。お前はそれでいい」

褒め方が下手くそだ。しかし悪くなかった。

「今晩だけは特別に頭を撫でていいぞ」
「そういうところも、姉にそっくりだ」

どんな姉妹なんだと思いつつも腕まくらをされて頭を撫でられる。久しぶりの人肌の温もりに、少女がうとうとし始めた頃、先に寝てしまった姉弟子は寝言で姉の名を口にした。

それは聞き覚えのある、剣の姫の名だった。

薄々察していたその事実を聞かなかったことにして少女は姉弟子にぴったり身を寄せる。
頬に当たる膨らみが自分よりもあるのが癪だが、久しぶりの安眠と呼べる眠りであった。


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