僕っ娘剣士「黙れ犬!僕を女扱いするな!」少年「でも、お嬢は女だし……」
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31:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/19(土) 20:28:18.62 ID:ZPljtdP8O
「不公平だと思うなら私から1本取ってみろ。私を気絶させて寝顔を見ればいいだろう」
「そのうちな。でも、今はまだ無理だ」
「鍛錬に励め」
「今見たいの!」

駄々を捏ねると、辟易として姉弟子は問う。

「何故そこまで私の寝顔を見たがる?」
「そうすれば、近づけると思って……」

ここ最近、少女は姉弟子の真似をしてきた。
稽古以外の時間も全て、所作を真似た。
しかし、唯一、寝顔だけは真似ていない。

「だから、寝顔を見せて欲しい」
「愚か者め。どの道お前も眠るのだから私の寝顔を真似ることなど出来はしまい」
「ぐっ……!」

正論だ。ぐうの音も出ないほどに。悔しい。

「なんて顔をしているんだ」

わからない。今自分がどんな顔をしてるか。

「ひとりでは上手く寝付けないのか?」
「ち、違うもん!」
「私はお前の犬ではないのだぞ」
「わ、わかってるさ! もう帰る!」

もういい。けちんぼ。踵を返そうとして。

「まったく……今晩だけだからな」

意外と、姉弟子は押しに弱いのだと知った。


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