僕っ娘剣士「黙れ犬!僕を女扱いするな!」少年「でも、お嬢は女だし……」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/19(土) 19:08:13.64 ID:ZPljtdP8O
「たのもー!」

中に入るや勇ましく声を張り上げる少女であったが、所詮は女の声であり、迫力はない。

「おやおや? どうしました。ここは女の子が来るような場所ではありませんよ」

気がついたら、そこにいた。
印象に残らない地味な顔立ちの青年。
いや、中年だろうか。年齢不詳である。
驚愕すべきは一切気配を感じなかった。
主人はもとより、傍に控える番犬ですら。

堪らず忠犬は冷や汗を垂らして忠告する。

「お嬢。この男は危険だ」
「わかっている。貴様に勝負を申し込む!」

当然とばかりに危険人物に勝負を申し込こんだ主人は全然これっぽっちも忠犬の心配を理解していなかったらしく、犬は悲しかった。

「ふふふ。元気の良いお嬢さんだ。あの子のことを思い出す。良いでしょう。もちろん、隣の少年もご一緒にお相手しますよ」
「なんだと!? 貴様など僕ひとりでーー」
「お嬢! ひとまず勝つことだけを考えろ!」

舐められたとみて激昂する主人の口を慌てて塞いでから耳打ちすると、それが正論であることは伝わったようで、小さく頷いた。

「ふむ。こうして挑発すれば単独でかかってくると思ったのですが、なかなか思慮深い良いパートナーをお持ちのようですね」
「これはただの僕の犬だ」

今度は忠犬が頷き、犬呼ばわりにも不満はないとばかりに主人の右隣に並び立つ。
左利きの主人と右利きの犬が左右の腰に下がった刀を抜いたのは、まったく同時だった。


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