僕っ娘剣士「黙れ犬!僕を女扱いするな!」少年「でも、お嬢は女だし……」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/19(土) 19:05:36.78 ID:ZPljtdP8O
「ここが剣の名門と名高い中学か」

その少女は奇妙な出で立ちをしていた。

校則で定められた女生徒用の制服を着用せずに、代わりに男子用の制服を着ている。
右腰にはそりのある長い剣を下げていて、知識ある者が見ればそれが刀と呼ばれる代物だと理解は出来るが、この学校では両刃の直剣を使う生徒が大半であった。

黒髪は短く眼光は鋭い。目つきが悪いのだ。

まるで糊付けしたかのように固まった眉間のシワのせいで整った顔立ちが台無しだ。
おまけにその剣ダコだらけの片手には鎖が握られており、それは首輪に繋がっていて。

「いくぞ、犬。手始めに道場破りだ」

グイッと鎖を引いて、首輪に繋がれた少女と同じ黒髪の男の子をまさに犬のように従えるその様は、奇妙というよりも異端であった。

「ふん。ここがこの学校の鍛錬場か」
「お嬢、やめといたほうが……」
「黙れ犬!僕を女扱いするな!」
「でも、お嬢は女だし……」
「うるさい! ご飯抜きにするぞ!」

いかに忠犬とてエサ抜きに耐えられる筈もなく、正面から堂々と鍛錬場に入っていく主人の背に付き従うほかなかった。


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