【安価・コンマ】ファンタジーな異世界に異物が紛れ込むお話
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391: ◆7m3grp2dM2[saga]
2020/10/14(水) 18:31:09.99 ID:DA03flOdo

だが、妙に納得しきれない部分もある。

「何だ不満そうな顔をして。お前にはまだ難しかったか?」

俺の顔から考えを読み取りながらも、見当違いな言葉で愚弄される。
オレが今言った爺さんの理屈に納得しきれないのは、それを言っているのがこの爺さんだという事だ。

正義は何だと人とは何ぞやコイツは口にするが、実際にやったことと言えば、この森の王たるオレを理不尽極まる暴力を持って蹂躙し、屈服させて従えている。
オレがこの森に棲んでいた獣どもを従えたやり方と違いはない。
オレがやってきた事を獣の所業だと言うならば、この爺さんも獣と大差ないのではないか?
獣にだって、自分と同じ種族の個体を見分ける力はある。そう思えば人は一目で人を見分けられるというのも、それほど不思議な話ではない。
何より解せないのが、俺すらも平然と捻り上げる力を持っていながらも、コイツは膝をつき従う側の存在なのだという。
『オジョーサマ』と『ダンナサマ』というコイツより上の存在が、爺さんを従えているのだ。
それを考えれば、尚更結論は変わらないように思う。

強い者だけが選択の権利があり、弱き者は理不尽な力に踏みつぶされないように身を屈めて生きるだけ。

それは人も獣も、オレも、この爺さんですら変わらないのだろうと思う。
あんなにも強い力をもってしても、従う側の存在なのだから。



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