198:名無しNIPPER[sage]
2020/09/15(火) 00:25:41.28 ID:s4Ww8Seh0
『気球』
サラサラ サラサラ
女エルフ「…どうして目を閉じているの?」
剣士「こっちの方が落ち着くんだ」
女エルフ「あなたが感じていた世界の事を教えて?」
僕が感じていた世界はもっと狭くて賑やかだった
風の音…砂の音…すぐ近くに感じる沢山の命
でも目を開けて見ると風は見えないし砂もほとんど動いていない
近くに感じていた命は見つけられない…全然違っていたんだ
僕が感じていたよりもずっと向こう側まで世界があったのは
それはまるで未来を見ている様に感じる
…なんていうか…夢を見ているみたいだ
女エルフ「夢?」
剣士「…でも現実なんだ…ずっと向こう側で起こっている事も現実だった」
女エルフ「人間達との戦いの事を言っているの?あなたの魔法はすごく遠くに届く」
剣士「夢の中でも同じように何かと戦っていた…良いのか悪いのか分からないまま」
女エルフ「夢を思い出したの?」
剣士「少しだけね…この砂漠も夢の中で見た…だから全部夢みたいなんだ」
女エルフ「オアシスを見たいと言っていたのは?」
剣士「夢を思い出すかもしれないと思ったんだ」
女エルフ「話が飛び飛びになっている…混乱しているのね?」
剣士「混乱しているのかな?ただ…遠くで起こっている事が現実だったように…」
女エルフ「…」
剣士「夢で起きている事も現実の様な気がする…僕には同じに感じる」
女エルフ「あなた…それが真実だと思う?それが真実を見る目?」
剣士「わからないよ…だから目を閉じて落ち着かせているんだ」
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